世界初!エルサルバドル ビットコインを法定通貨に

中米エルサルバドルの議会は、「仮想通貨ビットコイン」を法定通貨とする法案を可決し、同法は成立しました。暗号資産が法定通貨となるのは世界初のことです。中米に位置するエルサルバドルは最小の国家で、長らく続いた政情不安もあり最貧国の一つです。そのため、2001年以降は信用の低い自国通貨コロンではなく、米ドルを使用することが推奨され、今では米ドルしか流通していない状況です。その国がビットコインを法定通貨として正式に採用しました。

採用に至ったメリットは?

簡単に言うと自国通貨コロンはビットコインより信用がないということです。
ビットコインは発行量が決められており(上限2100万枚)、通貨過剰発行によるハイパーインフレは起こりません。

ビットコインの採用は、経済構造が不安定で強国の通貨(ドル)を使わざるを得ない弱小国が、ドル支配から独立する可能性を示したとも言えます。他の中南米諸国やアメリカと敵対する非米国家が続々とビットコイン法定通貨化に動いた場合は、アメリカのドルにとって脅威となり得ます。ドルやユーロなどの通貨を使用する限り、国際決済はSWIFT(国際銀行間通信協会)を通じて行われ、ドルの送金はニューヨーク連銀を必ず通過し、必ずアメリカにバレるため、経済制裁も容易に行えます。

それがビットコインを使用することで、アメリカの経済制裁が無効となり、ドル覇権の崩壊の可能性が生まれます。ただしビットコインはボラが大きく実用的ではないため、すぐに活用されるとは思えません。

法定通貨へのきっかけは?

そんなビットコインを法定通貨とすることについては、下地があります。
それはエルサルバドルにあるサーフィンの聖地エルゾンテ村に、2019年に「エルゾンテ村を愛するもの」と名乗る匿名人物が、10万BTC(約980億円)を村に寄付したことがきっかけです。「ビットコインを現金化しないこと」が寄付の条件でした。
それ以降、住民に対してビットコイン教育を通じて普及していき、エルゾンテ村では様々な場面でビットコインが支払い手段として利用されています。普通に考えると1000億円寄付できる人物は限られており、これは壮大な実験の可能性が高いです。

世界のシナリオはドル通貨を破壊する方向に動いていること、世界統一デジタル通貨に向けて進んでいることなど、歴史的な大展開が近づいています。まずは自分の資産を守らなければなりません。