マネタリーベース

マネタリーベースとは「日本銀行が世の中に直接的に供給するお金」のことです。

2013年4月に日本銀行の黒田総裁が「2年程度で2%インフレを達成する、そのためにマネタリーベースを2倍(120兆円⇒240兆円)に、日銀が買う国債を2倍に引き上げる」と公約し、市場を驚かせました。
結局2%インフレを達成できず、紙幣を刷り散らかした結果、2021年10月にはマネタリーベースは660兆円まで膨らんでいます。

この間、市場に出回ったお札の量は、80兆円から120兆円と約50%増えています。つまり7年前に貯金が1000万円だった人は1500万円になっていないと平均値に追い付いていないことになり、銀行にお金を預けていると、額面は担保されていますが、価値自体は目減りしていることになります。

マネタリーベースを増やせば増やすほど日本円の価値は棄損します。
そして、日銀にはそれを止める意思はないようで800兆、1000兆円とどこまでも増やし続けるはずです。

例えば、日清カップヌードルは、2008年88円(税抜)が2019年193円(税抜)とほぼ倍増していますが、単なる値上げではなく、裏を返せばそれだけ日本円の価値が棄損していることになります。

2020年4月27日に黒田総裁が「国債を無制限に購入する、必要ならいくらでも買う」と言い切りました。これは財投債、大企業社債、CPでも無利子、無担保、無制限で買ってやると言ったのに等しいです。日本の借金は1,100兆円です。

現在、借金額は2018年は毎月+1兆円、2019年は毎月+2兆円、2020年は毎月+3兆円ペースで政府の負債が増えています。こんな状態でジャブジャブマネーでお金をばら撒き(日本だけでなく世界中で)、各市場は軒並み高値圏で推移しています。

明らかに日本円(世界)の価値が棄損しているのであり、現金だけに依存していれば資産を吹き飛ばすことになります。現在の法定通貨は無限に刷れます。無限に増やせるものに価値はあるのでしょうか。