トヨタは何を売っている?

トヨタ自動車は、何で儲けている会社だと思いますか?

多くの人が車と答えるでしょう。
その通り、1つは車です。CMでもよく見かけます。
そうすると多くの人は車を売っている会社だと思います。

しかし、トヨタは「オートローンで儲けている会社」なのです。
簡単にいうと、車を買う時の借金 = ローンです。

家や車は何かと高金利です。言い方は悪いですが、足元見られています。
トヨタの場合はどの位かというと「収益の8割がローン」です。
びっくりしませんか?
ということは、我々に実際に見えているのは2割程度ということです。

借金希望者をCMで集めている

車のCMを思い出してみてください。
「あれって、30~40代のファミリー層を狙ってますよね?」
これは家とかローンを抱える世代をターゲティングしているわけです。

だから車のCMは、ワゴン車だったり、子供たちが必ず出てくるわけです。
将来、子ども達がどんどん大きくなって、大きい車を必要として、ローンを組んでくれる世代を集めているだけです。

逆にセルシオなどの高級車のCMはあまり見ません。
なぜかと言うと、購入層が金持ちだからローンを組まないからです。

要は、ローンを組まない人を集めてしまうと、車単体で収益を取らなければいけなくなります。そうすると、あんまり儲かりません

でも、ローンを組んでくれる世代を集めたら、借金ビジネスが成り立ちます。
だから、悪い言い方をすると「借金希望者をCMで集めている」ということになります。

どうローンを売るか?

トヨタの場合、2割は車で、8割はオートローンの収益が成り立つということです。

ただし、ローンだけを売るのは、すごく難しいです。
それは単なる金貸しと同じです。
お金に困っている人だったら借りるかもしれませんが、それだったら大衆を相手にした方がいいに決まっています。

だから「大衆が欲しい」と思うようなフロントエンド商品を考えます。

それがトヨタの場合、車なのです

「集客」と「収益」を分けて考える

トヨタの場合、車が「集客商品」です。
そして「収益商品」がオートローンになります。

一般的に、「収益商品」をいきなり表に出して広告すると儲かりません。
「集客商品」と「収益商品」を分けるというシンプルな仕組みをつくる。
そして「集客商品の方を広告する(トヨタの場合、車)」ということが重要です。

ポイントは「集客商品」と「収益商品」が関連していること。
関連していないと関係ない人を集めてしまい、全く儲かりません。

収益商品ありきで考える

大事なことは「収益商品」から先に考えることです。

「収益商品」があって、それを集客するための商品には何がいいか?と考える。
「集客商品」から「収益商品」を考えると、ビジネスは行き詰まります。